自己破産で借金ゼロになるって聞いたけど、なんでも愛車も取られちゃうっていうじゃない・・・金子のおじちゃん、何とかなんないかな?』

そう電話をしてきたのは、茅ケ崎んとこのカッチャン(おい)でした。

もう30半ばになるトビ職人なんですが、これが大のクルマ好きで、相当な金をかけて車を改造してるってハナシなんですね。

それに夫婦でパチンコにもハマっていて、あげくに返しきれない借金を抱えてしまったんです。

でも、まだ若い夫婦ですから、ここでちゃんと借金を整理してヤリ直せば、あとあとの生活は何とかなると思っていますよ。

ただ・・・あれほど車にこだわる気持ちが、実のところワタシには理解しかねますな。

とはいえ、かわいい甥っ子のためです。

できるだけ良い形で自己破産が認められるように、なんとか車も残せるように知恵をしぼってアドバイスしていきます。

そこで、自己破産で愛車がどうなってしまうのか?と悩んでいらっしゃるアナタ!

今回は自己破産での車の扱い・処分について詳しくご説明していきますぞ。

Q&A:自己破産したら車はどうなってしまう?

Q:自己破産をしたら車は必ず没収されてしまうの?なんとか手元に残せないの?

A:条件によって、残せる場合と残せない場合があります。

Q:毎日の生活にどうしても車が必用だとしても、自己破産すると処分されてしまうの?

A:車がないと生活がとても困難になっていまう場合は、マイカーの処分が免除される可能性もあります

Q:どうしても愛車を手放したくない場合の対処法はあるの?

A:事前に手を打つことで、なんとか残せる方法はあります。

Q:自己破産前に車を売却しても大丈夫なのか?

A:可能ですが、『財産隠し』『詐欺などの罪』にならないよう気をつけねばなりません。

Q:自己破産の申立てで、絶対にやってはいけないことって何ですか?

A:いくつか項目があります。(詳しくは本文でご説明します)

Q:自己破産後でも車購入のローンは組めるの?

A:個人信用情報機関の自己破産の記録が抹消されればローンを組めるようになります。

 

このページでは、これらの質問に対するお答えを中心にハナシを進めていきますよ。

自己破産をしたら車は必ず没収されるのか?手元に残る可能性はあるか?

『金子のおじちゃん、オレのスカイラインGT-Rは20年落ちだけど、いまだにゼロ100(時速100㎞/hまでのタイム)が7秒を切るんだからね。』とカッチャンはワタシんちに来るなり、開口一番に愛車の説明を始めました。

『しかもオレの体に合わせてバケットシートも特注したし、45Rの扁平タイヤでびしっとシャコタンも決まってんだよな・・・』

こんな感じで、たっぷり10分間も愛車の自慢バナシをしていたカッチャンですが、今では車に手を加えるお金もなくてガッカリした様子でしたな。

それに、あっちこっちに借金があって返済がどうにもならなくなったと、ホントウに苦しそうな顔をしていました。

『・・・で、借金はいくらあるんだい。』

『まだ290万か、300万はあると思う。』

『思うって、ちゃんと計算してないのか?・・・収入はいくらだい。』

『オレの給料は手取りで23万ぐらい、嫁さんの方は6万かな。』

それだけ稼いでいて、なんで300万もの借金を作ってしまったのか・・・

ワタシはちょっとあきれてしまいましたよ。

えっ、アナタもそう思うですって、ちょっとゼイタクしすぎだと言いたいのでしょ。

そうかもしれませんな、夫婦でパチンコまでやっているのですから、いやはやなんとも困ったもんです。

『月の返済はいくらなの?』

『なんだかんだで15万円ぐらい返してる。それに家賃や光熱費なんかで10万円かかるから、この頃はゼンゼンお金が足りなくて・・・つい消費者金融へ行っちゃうんだよね。』

『それで、そのGT-Rにローンが残ってるのかい。』

『それは3カ月前に終わってるけど。』

とまあ、カッチャンの借金の状況はこんな感じで、月15万円の返済が今後1年以上も続くとあっては自己破産もヤムナシかと思いました。

 自己破産でも査定価値が20万円以下の車は自由財産として残せる

さて、カッチャンの愛車ですが、自己破産でどのように扱われるかを彼は一番心配していましたな。

それで、まず先に自己破産の基本的な財産処分から説明することにしたんですね。

自己破産とは、申立て時に所有しているすべての財産を差し出して、すべての借金をゼロ円にする債務整理です。

破産の申立てをした人は、その時点で持っている全財産を現金に換えて、借金元の債権者へ公平に分配します。

返金がいくらだとしても、それですべての借金を免除してもらいます。

ただし、自己破産で身ぐるみハギ取られてしまっては大問題です。

いくら借金がゼロになるとしても、そのあとの生活がどうしようもなくなります。

とても人生のやり直しができる状態だとは言えませんからな。

破産法の目的は、まず苦しい借金生活から脱出させること。

そして、ささやかでも幸せな生活が始められるように、多少の余裕は残るように配慮します。

社会生活をする上で必要最低限の現金と生活用品を自由財産として、破産者の手元に残しておけるよう計らっていくれるんですな。

具体的には、99万円以下の現金が残せます。
*裁判所によっては現金とほかの財産の合計で99万円とする場合があります

また、破産手続きが始まったあとで取得する財産も自由財産になります。

さらに差し押さえを禁止している財産もあって、自己破産のあとの生活が破綻しないように気を使ってくれるんですよ。

それから、東京地裁や大阪地裁などでは自由財産の幅をもっと拡大してくれてますな。

このあたりを理解しておきますと、自己破産での車の扱い方が分かってきますので、ちょっとまとめて表にしておきますね。

【本来的自由財産】
新得財産(破産手続が始まった後に得た財産)
99万円以下の現金(預金や株式は含まれない)
差押えを禁止されている収入や債権(給料の4分の3や年金、生活保護など)
【自由財産の拡張】
残高が20万円以下の預貯金や生命保険解約返戻金
査定額が20万円を超えない車や家財道具(貴金属やブランド品などゼイタク品は除く)
自宅の敷金・電話の加入権
見込額の1/8が20万円を超えない退職金債権

いかがですか、生活品のほとんどが残せると思いませんか?

自由財産の拡張に関しては裁判所によって条件が異なりますが、ほとんどの場合で査定額が20万円を超えない車を処分しないとしていますぞ。

年式の古い車は手元に残せる可能性が高い!

反対に査定額が20万円を超えてしまう愛車・マイカーは、残念ながら破産財団(はさんざいだん)の対象財産とみなされて、管財人(かんざいにん)に差し押さえられ、競売などで売却されてしまう可能性が高いですな。

『破産財団ってナニさ?管財人ってだれさ?』

今アナタは、そう突っ込みを入れたでしょう。

では、説明しましょう。

破産財団とは、どこぞの経済グループのことではありませんぞ。

借金整理のために処分される財産をまとめて、専門用語でそう呼んでいます。

それから管財人は破産申請をした人の財産を売却する人で、裁判所が任命します。

つまり、アナタの都合のいいように愛車を売ってくれるわけではありません。

むしろ、ビックリする安値でたたき売ってしまうのが管財人なんですよ。

しかも管財人への手数料は破産者の支払いですので、車マニアの方々にとってはイラっとしてしまう存在かもしれませんな。

まあ、それはともかくですぞ。

先ほどから申し上げている査定額のことですが、これは管財人が査定する額だということを肝に銘じておいてくださいな。

ガリバーさんのような、中古車を専門に高額買取しているお店での査定額ではありません。

そこんとこを間違えのないようお願いしますぞ。

ちなみに言っておきますが、査定額や自由財産になる・ならないは、すべて裁判所の方で決めますので、絶対こうなるという保証がない点も理解しておいてくださいよ。

ただし、国産の大衆車(新車価格が300万円以下)のクルマは、だいたい6~8年間ほど年数が経つと査定額ゼロ円として計算する傾向があります。

先ほどから例に挙げている東京地裁では、自由財産の判断基準(換価基準)を以下のように定めています。

【車両の種類】 【初年度登録からの減価償却期間】
普通乗用自動車 6年落ち以上
軽自動車 4年落ち以上
バイク(原動機も含む) 3年落ち以上

*あくまでも東京地裁での目安で、各裁判所で評価が変わるため要注意!

新車で購入した国産の大衆車なら、ほぼ6年落ちの状態で減価償却が終わっているとみなして、見込み査定額をゼロ円で計算してくれるんです。

つまり、査定せずに自由財産として認めてくれるんですな。

これって、分かりやすくて良いでしょ。

6年以上乗り続けている大衆車は、ほとんどフリーパスで手元に残せるんですからな。

中古で買った車も同様で、製造年月日からの年数で査定価値を判断してくれますから分かりやすいですよね。

ただしですぞ、いわゆる高級外車やスポーツカーやプレミアム・カーは要注意です。

上記の減価償却の期間を過ぎていても、これらの車は管財人によって詳しく査定されるんですね。

『金子のおじちゃんさー、マジかよ、ちょっと待ってくんないかなー。』

カッチャンは高級車という言葉に機敏に反応して、急にウロウロし始めました。

なんでも彼の自慢のGT-Rは、ガリバーなどで軽く100万円以上の査定が付くとのこと。

『まあ、管財人の場合は一般の買取査定よりも低い額を付けるんだが、100万円以上で売れる車となるとな・・・』

これは困った流れになったぞ!そのときワタシは正直そう思いましたな。

でも、ご安心あれ!

ワタシ金子がウルトラCの裏技で、なんとか彼のGT-Rをセーブしてみせますぞ。

このハナシは、後ほど詳しく説明いたしましょう。

 家庭に複数の車やバイクがある場合は判断が難しい

たとえばですが、自己破産を申請した人が複数の車(バイクも含む)を所有しているとしますね。

どれも年式が古い車ばかりで、とても20万円で買い取ってはもらえないとします。

これまでの説明でワタシは、査定額が20万円以下の所有物は差し押さえを免除されると申してまいりました。

それはウソではありませんが、あくまでも『生活で必要となる最低限の財産を残す』という破産法の大前提を考えるならば、複数の所有車は処分されることもあるんです。

たとえば、査定額18万円のブランドバッグとか、19万円の価値のアンティークのティ―セットとか、いわゆるゼイタク品とされる高級品は差し押さえられてしまうことが多いんですね。

同じ理由で、自己破産を申請した人が2台以上の車・バイクを所有している場合、最も必要性のある1台を残し、そのほかは差し押さえられる可能性があるんですな。

また、裁判所によっては99万円の範囲で自由財産を絞り込むケースもあって、とくに利用していないマイカーやバイクなどは自由財産から外されてしまうこともありますぞ。

つまりですな、現金と物品・預貯金を合計した価値が99万円を超えないように自由財産を決めて、それ以外は破産財団(処分する財産)にすることもあるわけです。

このあたりの判断につきましては、裁判ごとで裁量の条件が違うため、事前に法律事務所などで対策を考えてもらう方が良いですよ。

ローンが残っている車はローン会社が回収するので残せない

車のローンが残っている方、これから言うことをちゃんと聞いておいてくださいよ。

ローン返済中の車を所有している人が自己破産の申請をしましたら、残念ではありますが愛車を手元に残しておくことはかなり難しいですぞ。

それはですな、車のローンを提供している金融会社が、真っ先に車を回収してしまうからなんです。

自己破産の通知を受けたローン会社は、管財人が差し押さえる前に、担保権を行使して車を回収する権利があるんですな。

えっ、なんですって?ローン返済中の車はどうやっても残せないのかですって?

いえいえ、そうとばかりとは限りません。

残す方法があることはありますぞ。

その方法については少しあとで説明しますので、このまま読み進めてくださいね。

 査定価値が20万円を超える車でも処分されないケースがある

これまで何度も、20万円を超える査定額の車は自己破産で処分されると述べてまいりました。

でも、まだあきらめるのは早すぎますぞ。

実は、次の条件に当てはまるならば、アナタの愛車を残せるかもしれないのです。

  • 同時廃止(どうじはいし)として認められる場合
  • 車がどうしても生活に必要と認められた場合(自由財産の拡張)
  • 車を含めても財産の総額が99万円以下の場合

何を言っているのかチンプンカンプンなので、もっとカンタンに説明してほしいですって?

もちろんですとも。

 同時廃止として自己破産が行われる場合

まず同時廃止ですが、破産法216条1項では『所有する財産を全て処分しても破産手続きの費用に足りない場合は、所有物を処分せずに申立てと同時に管財を廃止する』というルールがあるんです。

つまり、自己破産の裁判費用を自力で用意できない場合は、財産をそのまま残して借金をゼロにしてくれるという法律です。

ここでポイントとなるのが、自己破産を申請したときの所有財産のトータル額です。

もし車以外に財産らしい財産がなかった場合、ちょっと評価額の高い車でも手元に残せる可能性があるんですな。

たとえば査定額が40万円の車を持っているとしましょう。

でも、車のほかに20万円を超える財産は持っていません。

このときの破産手続きの費用が50万円だとしたら、車を処分しても裁判費用はカバーできないと判断されて、車は処分されずに同時廃止の形で破産が認められることになります。

ここだけのハナシですが、いいですか。

200万円とか300万円の借金で自己破産をする方は、ほとんどのケースで裁判費用を払うだけの財産を持っていないんですね。

それで同時廃止になることが多いのです。

だって、高く売れる財産があれば、先に自分で売って借金を返してると思いませんか?

ということで、ちょっと評価額の高い車でも、意外と手元に残せる可能性があるんですぞ。

 介護や病院への移動などでどうしても車が必要(自由財産の拡張範囲内)

ほかにも車を残せる条件がありますぞ。

高齢の親の介護のため、車でデイサービスの送り迎えをする必要があったらどうでしょうか?

歩行が不自由なお子さんの病院への送迎を、マイカーでしなければならない場合はどうでしょう?

しかも買ったばかりの中古車で、まだ査定価値が50万円ぐらいになる車だったら・・・

そんな状態で車を取り上げられたのでは、いくら自己破産で借金ゼロにしてもらっても、そのあとの生活が成り立ちませんよね。

そうなんです。

それが生活上どうしても必要な車なら、裁判官の裁量措置によって残してもらえる可能性がありますよ。

これも自由財産の拡張なんですね。

病気や介護のために利用している車などは、だいたい処分を免除されているんですよ。

ただし、通勤で使うから残してほしいと訴えてもなかなか認められませんけどね。

だって、ちょっと不便でも電車やバスで通勤できれば、裁判所はそうすべきと判断するからです。

あっ、そうでした。

実は北海道の知人の自己破産で、通勤ができないからとマイカーを残してもらえたケースがありましたな。

帯広の郊外で、電車も路線バスも通っていない地域でのハナシです。

そんな地方の牧場で働いていた知人は、車がないと仕事も買い物もできないと訴えたそうです。

実際に、自転車では牧場まで2時間近くかかりましたし、帯広の町までは3時間以上もかかる田舎町でしたから、車のない生活は考えられないんですね。

裁判所も理解を示してくれて、それで車の処分は免除されたんですって。

まあ、こういった特例もありますから、サポートをしてくださる法律事務所でしっかりと相談するのは得策ですな。

自己破産のときに資産トータルが99万円にならない場合(自由財産の拡張の範囲)

破産法には自由財産のひとつとして、99万円以下の財産を処分しないという取り決めがあることをおハナシしましたね。

これを裁判所の専門用語で、99万円基準などと呼んでいます。

東京地検や大阪地検などでは、『現金や車などのトータル評価額が99万円を超えなければ全て自由財産と認める』との措置をとっていますぞ。
*現金だけで99万円以下、それ以外の財産は単品で20万円以下という基準もあります

99万円基準によりますと、たとえ同時廃止の条件を超えてしまっていても、トータル評価額で99万円を超えない限りは、50万円の車でも90万円の車でも処分されない可能性がありますぞ。

こちらに関しても、裁判所や裁判ごとで判断の基準が違いますから、その点は十分にご注意くださいね。

自分以外が所有者の車を使用しているとき

おまけではありますが、自己破産では他人名義の生活品を処分いたしませんのであしからず。

別居している親名義の車を乗っている方や、配偶者名義の車を利用している方が自己破産をしましても、その車はまったく処分されません。

同じ理由で、カーリースやカーシェアなどの業者名義の車も差し押さえられないのでご安心ください。

どうしても愛車を手放したくない場合の対処法はあるの?

さて、いよいよカッチャンの救済手段のハナシに入りましょうか。

チョットもったいぶった感じで、いろいろ小ムズカシイ説明を続けてきましたが、ここまでのところは大よそはお分かりいただけたことでしょう。

一般的に自己破産で車が残せる条件は次の2つ。

  • ローンの担保ではない、20万円以下の評価額の車
  • 申立て人が自由財産の拡張条件に当てはまる場合

でも、これらの条件に当てはまらない場合は愛車をあきらめるしかないの?

そういうハナシですよね。

では、ワタシ金子のちょっと役立つ裏技講座をお読みくださいな。

 第三者弁済(だいさんしゃべんざい)で車を残せる可能性がある

ローン返済中の車や、自由財産の拡張条件にも当てはまらない車は、次の方法で何とか車を手元に残せるかもしれません。

  • 別居する家族や親族、友人に車のローンを一括返済してもらって担保権を外す方法
  • 自己破産の前に、別居する家族や知人へ評価額で売却する方法
  • 破産財団(差し押さえられた財産)から自分や家族が買い取る方法

この3つの方法を適切に実行することで、手放したくない愛車がキープできるかもしれません。

ローン返済中の車は別居している家族や知人に一括返済してもらう

まず先に断っておきますが、いくら車を残したいからといって、自己破産の前に自分のお金で車のローンだけを一括返済するのはNGですぞ。

これを偏頗弁済(へんぱべんさい)といって、自己破産では違法行為にあたります。

特定の債権者だけの借金を返しますと、残りの債権者の不利益になってしまうからなんですね。

もし、20万円の価値を下回る車でローンが残っているなら、そのローンを別居している家族や親族、あるいは知人などに一括返済してもらうと、車の担保権が外れて自由財産になる可能性が高いです。

えっ、何を言ってるのかサッパリ分からないですって?

つまり、アナタと生計が別の人にローンを全部払ってもらって、自己破産を申し込む前に愛車を自分の所有物にしてしまうのです。

そうすれば車はローン会社とは関係がありません。

これは第三者弁済(だいさんしゃべんさい)といって、法的にも認められていますからご安心くださいな。

ただし、車のローン会社が了解してくれないと実行できませんのでご注意あれ!

なお、車の評価額が20万円を超えていると、自己破産の破産財団(差し押さえ財産)として処分されてしまう点もお忘れなく。

20万円以上の車は家族や友人に買い取ってもらうことができる

『じゃあー、ローンのある・なしに関係なく、とにかく20万円を超える車はどうすれば良いのよー!』

アナタ、しびれを切らせて、今そう大声を上げたのではありませんか?

実は、カッチャンもこのタイミングで同じ言葉を叫びました。

お待たせしてスミマセンでした。

このケースの場合は、まず次の方法をお試しください。

自己破産を申し込む前に、生計を別にする第三者に適正な評価額で買い取ってもらうんです。

そして買い取ってもらった愛車を、ムリのない形で貸してもらうという方法です。

親戚のおじさんとか、実家の親御さんとか、仲の良い友人に評価額で現金買いしてもらって、破産財団から外すのです。

売却した代金を自己破産の借金整理に差し出せば、事前に車を売却しても問題となりませんからな。

これで愛車はアナタの所有物でなくなり、自己破産とは何の関係もなくなるわけです。

ちょっとズーズーしいハナシになりますが、そのあとで個人的にレンタルするのはいかがでしょう。

あるいは、毎月少しずつ返済する形で買い取る約束をしても良いでしょう。

ご家族やご親せきであれば、タダでずっと貸してくれるかもしれませんしな。

ちなみにカッチャンは、親戚ということでワタシにこんなことを口走りましたぞ。

『なら、金子のおじちゃんが買ってくんないかな?』

その悪気のないツラを見て、ワタシちょっとイラっときましてね。

『甘ったれんじゃない!ちゃんと頭下げて武ちゃん(彼の父親)にお願いするんだな。』としかりつけてやりましたよ。

そのあとのハナシでは、彼はパチンコを辞めて真人間に戻るという約束で、愛車GT-Rを父親に買い取ってもらう約束をしたとのこと。

大きな子供の問題も、これで何とか解決ですかな。

破産財団の売却時に買い戻すことができる

まあ、そのハナシはいいとして、もう一つ方法がありますぞ。

とにかく破産財団として愛車を差し出して、法律のとおりに管財人に売却してもらうのです。

ただし、その競売のときに自分か家族が同席して、こちらで落札する方法です。

競売では評価額よりも安く買えるケースが多く、場合によっては格安で買い戻せるかもしれませんな。

反対に業者に狙いをつけられれば、評価額以上に落札額が高くなってしまう可能性もあるのでご注意ください。

あるいは、あらかじめ管財人に買い戻しの申請をしてもOKなんですぞ。

この方法なら、キッチリと評価額で買い戻せます。

これは管財人にとってもメリットがあって、競売にかけるなどの余計な経費も手間もかかりません。

それに、債権者たちへの配当額も多くなるので、みんなにとってメリットがある得策なんですな。

ただし、気を付けるべきは買い戻す資金の出どころです。

破産を申し立てた人が買い戻す場合、自由財産となる99万円の範囲内でなければなりません。

それ以上の金額ですと、『隠し財産として追及される』可能性がありますのでご注意ください。

また管財人によっては、事前の買い戻しに応じないこともあります。

この2つの裏技は、ある意味でケースバイケースだと理解していただきたいのです。

そこで、なんとか無事に愛車をキープするために事前に専門の法律事務所で相談して、手違いのない形でお願いいたしますぞ。

自己破産のほかの債務整理を利用して車を残す

ここまでご説明したすべての方法を利用しても愛車が残せない、そう弁護士の先生に言われましたら、そのときは自己破産で車を残すことをあきらめてください。

あとは自己破産ではない債務整理の方法で、なんとか借金の整理をして愛車を残すしかありませんな。

個人再生や任意整理で何とかならないかと、担当の弁護士さんとよく相談してみてください。

ただし、けっして借金の整理をあきらめてはなりませんぞ。

まずは、明日の生活を最優先でお考えください。

車を取るか?自己破産を選ぶか?

ここは人生最大の分かれ道、どうぞ慎重に判断なさってくださいよ。

 自己破産で絶対にやってはいけない4つのこと

車という財産は、その人にとって特別な意味をもつことがあります。

『ほかの何にも代えられない大事な相棒!』

カッチャンはそんなふうに申しておりましたな。

だから、何が何でも手元に残したい!

その気持ちは分かります。

ここまでの話でも、できる限りの情報を提供させていただきました。

もちろん、ご説明した以外に良い方法があるかもしれませんが、人から聞いたハナシやウワサの裏技などにはご注意くださいよ。

なぜなら、自己破産では絶対にやってはいけないことがあるからなんです。

 自己破産の前に名義変更は絶対にダメ

いくら車を処分されたくないからと、自己破産の申立てをする前に車の名義を他人の名義にすることは詐害行為(さがいこうい)といって、裁判をダマす行為だと判断されてしまいます。

1年前とか2年前に譲渡(じょうと)するなら問題ないでしょうが、数カ月前でしたら『財産隠しじゃないの?』って疑われてしまいますよね。

もちろん、詐害行為と判断されれば自己破産はアウトですぞよ。

 自己破産の前にローンを自分で一括返済するのはNG

先にも説明しましたが、ローン返済中の車を残したいからと、自己破産の申立てをする前に自分のお金で一括返済するのはNGです。

この行為を偏頗弁済(へんぱべんさい)といって、自己破産の裁判では違法行為と判断されてしまうんですな。

理由はですな、車のローン会社だけが損をまぬがれて、そのほかの債権者の方々の回収する現金が減ってしまうからなんです。

いえいえ、アナタにそのつもりがないとしても、これは不可抗力とはならないんですよ。

自己破産の基本は、申立て人の財産を公平に分け合って債務整理すること。

特定の債権者だけが得をする行為は、きびしくゴハットとされていますからご注意くださいよ。

車のローンを故意に隠しておくこと

家族にも友人にも車のローンを一括返済(第三者弁済)をしてもらえないからと、ローンの存在を隠してしまうのもNGです。

繰り返しますが、自己破産ではすべての債権者に公平に借金の整理をしてもらうという原則があります。

このローン隠しも、ある意味で偏頗弁済(へんぱべんさい)に当たるでしょう。

裁判で発覚しますと、当然ですが自己破産は認められませんよ。

 自己破産のことをローンの保証人に秘密にしておくことはNG

それから、これは裁判上の違反行為ではありませんが、ローンの保証人には必ず自己破産のことを事前に相談するべきでしょう。

自己破産をすることで、アナタの残した借金が保証人へ回されて、大変なご迷惑をおかけしてしまうのですからな。

できれば、保証人の方もご一緒に同じ法律事務所のサポートを受けると良いかもしれません。

事情をよく理解してくれている法律事務所ですから、きっと何かしら良い対処法を見つけてくれるはずですぞ。

自己破産の前に車を売却する際の注意点!

自己破産の前に、家族や友人に愛車を買い取ってもらうことができると述べましたが、その際に注意しておくべきことがありますぞ。

まず、絶対に評価額よりも安く売らないことです。

必ず適正な査定額で売却することが肝心なんですな。

安く売ってしまうとに詐害行為(さがいこうい)と判断されますので気を付けてくださいな。

それから、売却した代金は自己破産の借金返済に差し出すことも忘れないでくださいな。

売却して現金が99万円を超えないこともポイント

さて、家族などに車を売る前に、ひとつ計算していただきたいことがあります。

その車を適正な評価額で売った場合、アナタの所持金(現金)がいくらになるかということです。

もし自由財産の99万円基準を超えてしまうなら、それはちょっと待ってくださいよ。
*裁判所によっては、自由財産を現金・債権・物品の合計を99万円以下とする場合もあります

車を売却することで財産が99万円を超えてしまうと、費用の高い管財事件(かんざいじけん)になってしまう可能性がありますぞ。

管財事件とは、先ほどから述べているとおり、破産財団(差し押さえた財産)を管財人が売却して、そのお金で借金の整理をする自己破産のことです。

その際に、裁判費用を数十万円も支払う必要があります。

これまで借金でさんざん苦労してきたところに、30万円とか50万円とかの裁判費用を払うなんてつらいハナシですよね。

一般的に自己破産では、あまり費用のかからない同時廃止になるケースが多いのですが、事前に車を売却したせいで費用の高い管財事件になってしまってはモトも子もありませんよね。

車を売って場合でも、費用の安い同時廃止で済むかどうか?

その点をよく計算したあとで、適正な価格で車を売却するようにおすすめします。

売却した代金の使い道にも要注意!

では、自己破産の申立て前に車を売却したとしましょう。

その代金の使い道にも注意しなければいけませんよ。

破産法の原則として、所有財産を売って得た現金は借金の整理に充てなければなりません

つまり、現金を管財人に引き渡して、債権者への返済に使うのが正解ですな。

ですから、そのお金で特定の借金を返済したり、旅行や遊びに使うようなことはしないでくださいね。

ただし、車を売却した代金を加えても、トータルの所有財産が99万円を超えなければ自由財産と認められます

自由財産であれば、それこそ自由に使っても結構でしょう。

なお、破産法では事前に財産を売却した場合、その代金を普段通りの生活費にしたり、法律事務所の費用にしても問題ないとしていますぞ。

車を売却した代金は個人的に使っても良いのですが、使い道には十分に気を付けるということですな。

詐欺破産の罪にあたる可能性もある

高価な財産を事前に売ってしまうのは、いわゆる財産隠しと判断されることから、場合によっては詐欺破産罪(さぎはさんざい)に問われる可能性もありますな。

繰り返しになりますが、裁判はその案件ごとで判決が変わる可能性があります。

判例を参考にすることはできますが、裁判ごとで条件や対応が変わってくる可能性がありますので、自分の勝手な判断で行動するのは危険なんですね。

必ず法律事務所のアドバイスをもらって、手違いのないように慎重に売却することをお願いしますよ。

 自己破産する前に車を廃車することはできる?

車の評価額が20万円以下の場合、自己破産の前に廃車にすることはまったく問題がありませんよ。

ただし、廃車の費用が高額の場合は自己資産が目減りしてしまって、債権者の方々の取り分が少なくなる可能性もあります。

えっ、わざわざ廃車にする理由ってナニ?ですと。

それはですな、自動車税などの還付金が受けられるからなんですね。

小さな額ではありますが、お金の調達で苦しい場面で見逃すのはモッタイないですからな。

自己破産のあとで車を所有することができるの?

自己破産をしたからといって、高額な商品を買うのを禁止されたワケではありません。

破産したあとで購入したものは、すべて新得財産(しんとくざいさん)としててアナタの自由財産になりますからね。

自己破産のあとはバリバリ働いて、新しい生活をしっかりエンジョイしてくださいよ。

そうそう、『自己破産アルアル』のなかに、パスポートや免許書を取り上げられてしまうってウワサ話がありますけど、それってウソですからご心配なく。

もちろん、自己破産のあとで新しい資格を取るのも自由です。

自己破産をしても普通の人と変わらない生活ができますので、変なウワサ話などに惑わされないようお願いしますぞ。

自己破産のあとでカーシェアやカーリースは利用しにくい

自己破産をしますと、その事実が個人信用情報機関に報告され、金融事故としてガッツリと登録されてしまいます。

いわゆるブラックリストに載る!ってやつですな。

なお、登録されている間は基本的に金融会社のローンが組めませんし、クレジットカードも作ってもらえません

それに自己破産の前に持っていたクレジットカードも、ほどなく利用停止の処分になりますから、カード払いができなくなるんです。

そうしますと、カーリースやカーシェアが利用できない可能性が出てきますぞ。

また、ETCカードの利用も難しくなりますな。

いえいえ、現金で料金が支払えれば問題はありません。

でも、中にはクレジットカードが必須のサービスもあるので、その点は知っておいてくださいよ。

 自己破産のあとで新たに車を購入できるの?

それは全く問題がありません。

新得財産(しんとくざいさん)ということで、ご自由にマイカーを手に入れてくださいませ。

ですが、ブラックリスト状態ですのでカーローンは利用できないでしょう。

あくまでも現金ニコニコ払いで購入することになりますから、事前にお金の準備をしておきましょう。

『じゃ、どれくらい待ったらローンが組めるようになるの?』

自己破産に関しては、そういうご質問がとても多いんです。

残念ですが、最低でも5年はお待ちください。

5年か10年で自己破産の登録が抹消されますから、そのあとでしたらローンもクレジットカードも申し込めますからね。

なお、登録の有無はご自分で確かめられますかよ。

電話で個人信用情報機関へ問い合わせて、じかに確認すると間違いがありません。

 自己破産のあと、車のローン審査の対策はこうしましょう

5年間とか10年間とか、ローンやクレジットカードが利用できるようになるまで長い時間がかかります。

それまでは、現金でしか新しい車を購入するチャンスがないかもしれません。

クルマ好きの方にとってはツライ時期になりますが、それだけは我慢してくださいな。

自己破産の記録が抹消されるまで、手元に残した愛車を丁寧に乗り続けるか、現金で買える範囲の中古車を乗り変えていくか・・・

そんな感じで、カーライフを楽しんでくださいね。

なお、登録が抹消されればちゃんとカーローンが組めるようなりますが、それまでは金銭トラブルを起こさないように頑張りましょう。

今どきは、ブラックリスト状態でもお金を貸してくれる金融会社がありますし、どうしてもお金が必要なときは闇金なんかに目が行ってしまうかもしれません。

ですが、自己破産をするほど借金で苦しんだわけですから、こんりんざいは節約に徹して、なるべく借金に頼らない生活を工夫してみてくださいな。

ワタシ金子も若いころに大きな借金を作ってしまい、それで債務整理で助けてもらったことがあるんですね。

やっと借金ジゴクから解放されたときの爽快な気分!

同時に、もう借金はこりごりだと痛感して、ケチケチ生活を徹底したんですね。

というよりも、お金を借りる当てがなくなって、貧乏生活を工夫するしかなかったんですがね。

それで、ワタシ気が付いちゃったんです。

お金もモノも、暮らしていくだけの分があれば問題ないって分かっちゃったんですね。

それで、20万円にもならない給料から、毎月1万円づつ貯金する感じでコツコツ生活を続けました。

始めのうちは、ちょっとしたことでも欲望が膨らんじゃって、お金がないことがイヤでイヤでしょうがなかったんですね。

でも、そんな生活も慣れてしまうと極楽で、お金やモノに振り回されない自分が偉く思えちゃって・・・

5年でブラックリストの記録が消えたんですが、そのときに100万円ぐらい貯金ができたんですね。

それでいったん仕事を辞めて、世界中をバックパッカー(貧乏旅行)で回ったんです。

あの頃は楽しかったな・・・

えっ、そんな思い出バナシはどうでもいいから、はやく対策を教えてくれですって?

いやですねー、もうおハナシしておりますぞ。

自己破産のあとは金融会社と借金トラブルを起こさずに、コツコツ生活の習慣をつけるだけです。

安定収入が確保できるような仕事について、コツコツと働きを続ければ全てオーライですね。

これでクレジットヒストリー(借金の履歴)がキレイになりますから、カーローンを申し込んでも審査に通りやすくなるというわけです。

自己破産に強くて安い弁護士はどう見つける?